お気楽さんぽ

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2012年11月19日月曜日

「琴きき茶屋」の櫻もち


嵐山は渡月橋の北詰に「琴きき茶屋」というお店があります。そこの「櫻もち」は、餡が入っていません。お餅と塩漬けの桜の葉だけの、とてもシンプルな「櫻もち」です。餡が入っていないとなにか頼りなさそうですが、大きな桜の葉2枚ではさまれたお餅は、「なるほど」という上品な味、緑茶がよくあいます。

なんでもこの店はもともと車折神社の境内にあったそうです。昔の車折神社は桜の名所で「櫻の宮」と呼ばれていたとか。その境内で「櫻もち」を出していたお店が、車折神社の頓宮が渡月橋畔に造られた時に、その隣りに引っ越したそうです。(頓宮が造られたのは昭和の話。この茶屋がほんとうに車折神社の茶屋の流れをくんでいるのか、なかなか怪しいのですが)

この「琴きき茶屋」という店の名もよく出来ています。渡月橋が出来る前に、もともとこの辺りに「琴きき橋」というのがあったらしい。橋のたもとに石碑が立っています。
時代はまさに平清盛の時代。高倉天皇に見初められて愛されたがため、中宮である徳子の父・清盛の逆鱗をかった小督(こごう)の物語にちなんでいます。「峰の嵐か、松風か、尋ねる人の琴の音か・・・」   琴の名手で知られた小督。琴の音を頼りに、嵯峨に身を隠していた彼女を、高倉天皇の命で探しあてたその場所がこのあたり。「琴きき」の話。大河ドラマでも、次か次の日曜にはそんなエピソードが挟まれるかもしれません?

例の介護プレミアム券で買えるのは、こんな嵐山のお土産なのであります。

2012年11月12日月曜日

使えない! 介護保険の商品券



うちのオヤジは91歳です。家内のお母さんは92歳です。こうした高齢者で、介護の支援とかを受けていないお年寄りに「奨励金??」がいただけるアンケートが夏ごろにあり、10月に京都府の介護保険返戻商品券というカタチで送られてきました。
ここからがお役所仕事のいい加減なところで、実に腹がたつ次第であります。

その「プレミアム商品券」をいただけるのはいいのですが、お年寄りに金券をあげるなら、ついでに地域振興もしてしまおうという浅はかな発想を持ったために、全く使えない「商品券」となっています。

その商品券の失敗(1)
地域振興はいいのですが、その商品券が使えるのはうちの場合は嵯峨野とか嵐山の商店街でしか使えません。健脚のボクラでも歩いて30分はかかるところへ、90以上の年寄りにどうしていて来いというのでしょう。バスや電車に乗るというのも家の者にとってはけっこう心配なのです。
ちなみに義理の母の場合も、歩いて20分以上かかる商店街が指定地域になっていました。

その商品券の失敗(2)
お役所はその商店街や街のお店の種類まで神経を使ってません。うちの対象の嵯峨野や嵐山のお店のほとんどは観光客相手のお土産さんや食堂・レストランなどです。まぁ、日常生活で使えるのはお酒やお茶といったモノくらいでしょうか。せめて、もう少し日常のお買い物ができる店を入れてくれよ。

その商品券の失敗(3)
有効期限は来年1月15日まで。3ヶ月の間に使ってしまえ。早く使わないと期限が切れるよという、年寄りの消費行動を無視した期限であります。

一人35000円ほど送られてきたのですが、そのうち5000円を地域振興で使っていいから、あと3万円はどこでも使えるJTBの商品券にするとかせいよ。それがダメなら市バスの回数券3万分に。それなら金券ショップで売ることもできるし。

うちの場合はオヤジから買ってやることにしました。そうしましたが、どこで何に使うかこれから思案しなければ。義理の母はみんなで何か食べに行こかといってます。
それにしてもお役所仕事の貧困さには、腹がたつ。もう少し考えろよ。「賢い方法でやりました」という顔が見えてくるから、余計腹がたつ。ほんと想像力がないなぁ。

2012年11月4日日曜日

古代奈良漬を探してぶらぶら


初めて桜井市の大神神社へ行ったのは、Cityに乗っていた頃なので、もう20年以上昔の話。大神神社へお参りした後、金屋の石仏というのを探していた時に出会ったのが小さな山の上のうどん屋でした。大神神社の横裏のあたり。うどんを食べに入ったら大きなポリバケツがいっぱい並べてあって、自家製の奈良漬を作っているとか。これが初めての、全然甘くない古代奈良漬でした。その奈良漬がおいしくて、3・4年後もう一度買いに行ったこともありました。

山辺の道の帰りに、その古代奈良漬けを探してみました。何しろその当時からおじいさんとおばあさんのお店。3時ころにはもう店を閉める準備してたから、店は開いてないなとは思っていましたが、見つかりませんでした。帰りにJR三輪駅の前のタクシーの年配の運転手さんに聞いたら、おじいさんが亡くなってからその「山川茶屋」はやってない、とのことでした。

JR奈良から近鉄に乗るべく広い通りを歩いていると、奈良漬屋さんが多くある。その一軒に入り、甘くない奈良漬が欲しいというと、甘さは人によって違うからと云われてしまった。さらに砂糖を入れない奈良漬は苦いばかりで美味しくないと。味見させてもらったら、そこそこ甘い。まぁいいかと、すいかと大根だけを買いました。
さらに歩いて行くと、ご大層な門替えの老舗の奈良漬屋さん。一目見ただけで高そう、という感じ。きっと奈良では有名なお店なのでしょう。

高くて失敗してもいいやとお店へ入ったら、主人が「うちの奈良漬は思うてはる奈良漬と違います」といきなりきたもんだ。「デパートの奈良漬のように甘くありません」 「色が黒くてびっくりされる人多いので説明させてもらっています」 「食べる分だけ洗って、冷蔵庫で3~4日ラップかけて寝かせてから召し上がってください」 「奈良漬は賞味期限で選んでください、うちのは2年、常温でもちます。」 「いろんな甘味や添加剤をいれるから日持ちしない」 「江戸時代は冷蔵庫なんてないでしょ、奈良漬は日持ちするもんなんです」 この「江戸時代に冷蔵庫ないでしょ」というのは3回ほど云うてはったわ。

でも味見させてもらったら、これがおいしい。全然甘くない。そういえば、あの三輪の「山川茶屋」の奈良漬も黒かったのを思い出した。三条通りの「今西本店」というお店。酒の香の濃い、独特の奈良漬け。ああ、ぶらぶら歩いてると、いい発見もあるもんだ。