お気楽さんぽ

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2012年5月24日木曜日

神戸のギャラリーPAXREXへ

神戸・元町に PAXREX というギャラリーがある。そのオーナーさんは元代理店のデザイナーYさんで、若い頃、あるクライアントの仕事でいろいろご指導いただいた。うちの会社出身のカメラマンたちも個展でお世話になっているギャラリーだ。
そのギャラリーに会社の先輩が一緒に行こうと誘ってきた。神戸も久しぶりなので、ちょっと出かけた。

「PECHU(ペチュ)さん」という、アーティストの個展をしていた。極細のボールペンで繊細な絵を描くアーティストだ。中学の美術で、シダの葉などの精細な絵を描いた夏休みの宿題を思い出した。何種類かのシダの葉を、胞子の一つ一つまで鉛筆を尖らせて、写生していく宿題だった。念入りに何時間もかけて描いた精密画は、それなりに美しい出来ではあった。でも指にタコができかけていた。

極細ボールペンで描かれたPECHUさん
の、金魚シリーズや宇宙シリーズ。
原画をスキャナーでスキャンし、特別
なプリンタでプリントされ展示されて
いる。イラストレーターというよりデザインで見せるアーティスト。モノクロ、赤と黒、シャープな感覚が都会的でかっこい。

このギャラリーはもう閉めるらしい。Yさん曰く、運営費が大変だし、一週間どこかに旅行ということも出来ないらしい。お疲れさまでした。最後の個展になるかもしれないこのPECHUさんもまだ無名で、いろいろなデザイナーに紹介してほしいとか。あの湖西の酔っぱらいの装丁デザイナーにぜひ紹介したいと思い、絵葉書を買った。

さぁ、神戸出身の先輩はどこへ呑みに連れてってくれるのだろう。
お目当ての居酒屋があるらしい。

2012年5月13日日曜日

BAR探偵の夜

その探偵は、百万遍にいた。大きな通りからちょっと中にはいった、商店街のハズレのような場所だった。夜だったから。正確に言えば1軒目の店で呑んだ後だから、はっきりと見えてはいないが、焦げ茶のスーツを着ている印象だった。木香薔薇が今を盛りにびっしりと咲き、探偵の左半身を隠していた。木のドアの硝子の向こうでは、なにやら多くの人がひしめいている。「今日は貸切です」の文字。特別な夜が始まっているようだ。

その探偵は、BARの名だ。探偵「濱マイク」シリーズで注目を集めた、林海象がやっている店だ。なんでも古い喫茶店が壊される寸前に買い取って、BARにリユースしているらしい。「古いから、内装がいいでしょ。シンメトリーでないところがいいんです」と本人が言っていた。
どうやらこの夜は、開店5周年のパーティの夜だったらしい。連れの一人、謎のウクレレ弾きが強引にスタンディングでOKだからと、ぐんぐん店の中に入っていく。

その夜の探偵は、映画好きのおもちゃ箱みたいだった。造形大学の映画学科の学生たち、映画の照明さん、新聞記者、女優らしい女はカウンターに座ってハイヒールを投げながら浅川マキを歌っていた。
そのカウンターの奥には林監督の秘密の部屋。本箱をギィと押せば、潜水艦のような部屋に入れる。どうやらここが個人事務所で、今夜だけ特別開放らしい。「この赤く鉄さびの浮いた壁、潜水艦らしくていいでしょ。みんなベニアです。映画はベニアです。映画の美術さんはスゴイんです」とうれしそうに説明してくれた。そういえば「探偵事務所は奥へ」の張り紙もあった気がする。

その探偵を、あとにしたのは、日付が変わるちょっと前。湖西に住むもう一人の酔っぱらいは、あわててタクシーに飛び乗って駅へと向かった。

2012年5月6日日曜日

筍を掘ってきた

ゴールデンウィークの真ん中あたりで、筍掘りに行ってきました。昨年亡くなった義理の兄のお友達が、春になったら筍とりにおいでと、誘ってくれていたからです。
その I 氏が住んでらっしゃるのは月ヶ瀬。梅林のすぐ近くです。いつもゴルフへ行く木津の方から、木津川に沿って東へ。笠置を通り、月ケ瀬口から南へ向かいます。京都から約2時間。でもR163は昔より走りやすくなっていました。

この I 氏はなんでもこの月ヶ瀬に移って12年くらい。自給自足的な暮らしをされているそうです。家のまわりにいろいろな食べられる葉の樹木を増やし、畑を耕し、お客さんを招いては旬の味覚をふるまってるとか。
京都に住んでいながら、筍掘りは初めてです。あいにくのぐずぐずの天気の中、裏山へ。よくみる、ふかふかの竹の林と違って、山の斜面に生えている筍は、土も結構固い。小さなシャベルで掘り出して行って、筍の全体の姿が見えてからスコップをグサリと入れて切る。
天気の悪いこともあって、掘りおきしてもらっていた筍とあわせ、たいそうな量の筍をいただいて帰りました。

筍掘りのあとは、奥さんの手料理の山菜づくし。なんでも自然食品の料理研究家とかで、料理のおいしいこと。・たらの芽 ・ウド ・よもぎ ・こごみ ・コンフリー ・ こしあぶら などなど、食べたことのない山菜の天ぷらもありました。
自然の中で、季節を五感で感じて暮らす。街を離れられないボクとしては、こういう人とのおつきあいはとても大切かもしれません。