お気楽さんぽ

お気楽さんぽ

2016年12月31日土曜日

見つかったSPレコード


まだ幼稚園の頃、家に蓄音機があった。モノラルの大きなスピーカーと一体化した蓄音機で、木綿針よりも太い針で鳴らす。レコードは、LPの大きさなのに、1面1曲。回転数も書かれてない。多分SPと呼ばれる78回転のレコードなのだろう。真っ黒でカーボナイトのような感触。厚さも4mmはありそうで、ずっしり重い。

映画のカメラマンだった父はレコードを、映画フィルムの缶に入れていた。フィルム一巻の直径と、レコードはほぼ同じ。10枚ほどのレコードがひと缶のなかにすっぽりと収まるのだ。35年ほど前、家を建て替えた時にそのレコードは紛失したと父もボクも思い込んでいた。ところがこの前、押し入れの奥深くまで整理していると分厚い袋の中からそのレコードがふた缶見つかった。

いちばん古いのは1947年にヒットしたというアル・ジョルソンの「Anniversary Song」だろうか。「お楽しみはこれからだ!」のセリフで有名な、世界初の長編トーキー映画「ジャズ・シンガー」の主演俳優だ。その伝記映画「ジョルスン物語」の挿入歌がこの「Anniversary Song」らしい。プレーヤーのあった時にはレコードが見つからず、レコードが見つかった今はプレーヤーがない。でもなんと、アル・ジョンソンの「Anniversary Song」はYou Tubeで聞くことができた。

父のレコードは映画にまつわるレコードが多い。なかでもビング・クロスビーものが多く、クリスマスの楽曲が多いようだ。小さかったボクは映画を見に行った「黄色いリボン」のレコードが好きで、何回も聞いていたような記憶がある。

ということで2016年も大晦日。今年もおつきあいありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。



ジングルベル 音凍らせて 四十余年


黴の匂い 錆の匂い 冬の音  (鯛風)



2016年11月21日月曜日

もう一つの「ジンジャーエール」



万平ホテルの続き。メインバーのバーテンダーさんとの話は、レーズンバターから始まった。最近これをオーダーする人は珍しい、らしい。「都市のホテルのバーではメニューからなくなってきてるらしいですよ」とか。それにしても万平ホテルのバーのそれは、1本まるごと切ってくれるのでグラスに山盛りになっていた。


ここの名物は「ジンジャーエールなんですか?」と聞くと、「あぁそれは、カフェテラスの方の名物です」といわれた。「甘いですよ」とも。「甘いジンジャーエールが多いですね、甘いのはあまり好きじゃない」というと。「そうでしょ。辛いジンジャーエールってなかなかないんです」と話しながら、オーダーしたジントニックを作ってくれた。そしておもむろに「私のジンジャーエールのレシピ差し上げましょうか」と言ってくれた。
「このジンジャーエールをいつもバーで出しているわけではないんですが」という特別裏メニューらしい。「鷹の爪を入れるところがミソです」。このコピー一枚が今回の旅行のいちばんのお土産かもしれない。


その「ジンジャーエール」を帰ってから早速作ってみた。
水200ccに対して、生姜100g、三温糖70g、蜂蜜10g、グローブ4ヶ、鷹の爪1~2本、シナモンスティック1本、レモン1/2、塩ひとつまみ。
●生姜を皮の付いたまま擦る  
●レモン以外の材料を鍋にかける  
●弱火で20分火にかける。たまにかき混ぜる。沸騰させないこと(スパイスの香りが飛ぶから)。  
●漉す  ●氷水で冷ます  
●レモンをしぼる
●原液1に対し、炭酸水は4    
※賞味期限1週間 
多く作ったら冷凍庫で保存する


最初なので400ccを作りました。漉す時は、茶こしの上に緑茶のティーバッグをのせて使用。なかなかスーパードライな「ジンジャーエール」の出来上がりです。夕食の時「ジンバック」にして飲んでみましたが、ジンの味より強烈なので、炭酸を多めに入れて薄めました。風邪に効きそうな「ジンバック」でした(写真は冷蔵庫の氷で、美味しそうでないですが)。



夜の湖 凛と立つ鹿 バーの絵に (鯛風)


ぐつぐつと 好奇心煮る 長き夜




2016年10月23日日曜日

あこがれの万平ホテルへ


 旧軽井沢の旧い別荘地には垣根がありません。浅間山の焼石を50cmほど積み上げ、敷地の境界線を示しているだけ。そしてこの地は苔の生育に適しているのか、どの庭もしっとりとした苔に覆われています。そうした別荘地の間を、縫うように個性的な小径がつながっています。そうした小径の一つ「万平通り」の突き当たりに「万平ホテル」が建っています。前から泊まりたいと思っていたホテルです。

「軽井沢・万平ホテル」のメイン・ダイニングには二つの大きなステンドグラスがありました。
一つは浅間山を背景にした大名行列を描いたもの。中山道を行く大名行列は、時代劇「一路」のようです。このホテルの前身が軽井沢宿の旅籠であったことを教えてくれます。そうそう正面玄関の上にも亀のステンドグラスが。昔の旅籠「亀屋」のシンボルです。


そうしてもう一枚のステンドグラスには、浅間山山麓でゴルフやテニスや競馬やドライブを愉しむ人たちが描かれています。日本のリゾート避暑地として早くから愛されてきた軽井沢。その社交の中心の場、ホテルライフの幕開けの時代が描かれているのでしょう。

泊まりたかった「アルプス館(現存している一番古いホテル棟)」は人気で予約不可。廊下続きの「アタゴ館」に。部屋は古く、すごく清潔とはいえません。それでもこの部屋から10室ほど向こうには、J.レノンが亡くなるまでの数年間、夏を過ごした128号室もあります。彼がどうしても譲ってほしいと言っていたピアノも記念室に置かれていました。クラシックホテルにはいろんな時代の空気が重なりながら流れています。


ホテルに泊まるということは、Barに行って呑むということ。食事前に1時間、カウンターに座りました。このBarのなりたちとかの話も聞けましたが、なんと言っても収穫は「万平ホテルのジンジャーエール」のレシピをゲットしたことでした。この話は一度レシピ通りに作ってからまたブログにアップしたいと思います。




ガラス絵の 浅間の仲間と 長き夜   (鯛風)


朝霧に 文士の影見た かくれ径





2016年9月19日月曜日

嵐電に「撮影所前」駅ができた


その新駅は突然あらわれた。今年の初めに工事が始まり、4月にはもう開設されていた。嵐電・北野線の「帷子ノ辻」駅と「常盤」駅の真ん中だ。
「帷子ノ辻」駅を発車して15秒くらいで着いてしまう、ギネス級的に駅間が短い新駅。でもこれが観光客にはなかなか便利。今まで「帷子ノ辻」駅から結構歩いていた映画村まで200mほどで行ける。JR嵯峨野線の「太秦」駅も5分という近さになった。

しかし「撮影所前」とは大胆な駅名。本来なら「東映撮影所前」なのだ。「松竹」は怒らなかったのかな。このあたり昔は日本のハリウッド。「大映」「東映」「松竹」その他、小さな撮影所もいろいろあった土地。
「大映」はなくなったが、「松竹」はまだ健在。といってもテレビの時代劇は激減し、元気のいいのは「忍者」が外国人に受けている東映映画村だけだ。

松竹の名画「蒲田行進曲」で、銀ちゃんが階段落ちをしている時に、産気づいた小夏が駆け込んだ病院。雪の降る夜、踏切のシーンを覚えている人も多いだろう。そのシーンを撮影した病院の前にこの新駅はできた。「川端病院」も今は、JR「太秦」駅前に移転してしまったけれど。

単線の駅というのも珍しいでしょ。上りと下り、停車した電車の反対のドアが開くだけだ。最近の嵐電は観光客が増えて財政的に余裕ができたのか実行力がスゴイ。「やってダメなら元に戻そう」的な発想で大胆な改革をどんどん進めている。



秋しぐれ 銀幕の中 恋人たち 



2016年8月29日月曜日

とがった鉛筆は好きじゃない


芯の先が、少し丸いくらいがいい。細かくいうと丸くなりかけた頃が好き。天の邪鬼なのだ。「鉛筆占い」なるものがあったなら、優柔不断・だらしない・協調性がないなどと言われるのだろう。その通りなのだが。

カリカリと小さな文字を書いていく作業になじめない。ノートの罫線やマス目を無視して、斜めに書いたり、大きく書いたり小さく書いたりしていたい。軟らかい鉛筆で大きな字で、余白もいっぱいに残して書いていく。人は「ミミズがはったような字」という。でもそれで、テストが減点されたことはない。


とがった鉛筆が好きな人はきっと「2H」とか「3H」の硬い鉛筆が好きなのだろう。小っちゃいきれいな字が並んだノートが目に浮かぶ。優等生のイメージ。字がきたないボクは、軟らかい鉛筆で滑らすように書いていく。そもそも小学低学年の文字練習用の、芯の太い「かきかた鉛筆」が好きだった。「B」だったと思う。

高校生の頃は「F」を愛していたが、その後「2B」が好きになった。
「2B」は新聞記者が記事を書く鉛筆と聞いたせいだ。コピーライターも「2B」を使うと聞いたが、まわりのコピーライターはどちらかというと万年筆にこだわってる人が多かった。
コピーライターの文字は独特で、原稿用紙のマス目にきちっとおさまるような丸い文字を書く。字の汚いボクはこの方がありがたかった。が、デザイナーからは汚い文字といわれつづけた。文字が汚くても中身で勝負!これで押し通してきた。

写真のペンシルは「スタッドラー」。芯を削る芯削りが頭に付いている。これでアバウトに削って書いていた。ずいぶん長い間お世話になっていた。この「スタッドラー」はそもそも設計士の人たちが、長く芯を出し神経質に芯を尖らせて図面を描くペンシルだけど、その重さが気に入っていたのだ。ワープロなるものが登場する前の、パソコンなんてまだずっと先の時代の話だけど。



きまぐれに 鉛筆削る 文月の夜


カリカリと 迷い月夜の 削りカス (鯛風)   



2016年8月7日日曜日

露地歩きは好きだけど


あ~、すっかりご無沙汰してしまった。もう夏、真っ盛り。
この3カ月なんやかやと忙しくて、ようやく日々のリズムに戻れそう。

夏のお散歩は朝がいい。水が打ってある石畳などあれば、さらにいい。
鉢の朝顔の花も、濡れている。すでに表通りの日差しは強い。こんな時、露地を抜けて歩けば心も涼しくなる。
こうした露地が京都の町中には多くある。この町の魅力の一つでもあるのだろう。きっと、「京の露地本」というのも出ているに違いない。なにせ最近は若い世代が露地で、お店やカフェや工房を営業するケースも増えてきた。でもボクはこの風潮には断固反対を唱えたい。

使われなくなった「町屋の活性化」も大切かもしれない。そうしないと露地の風景は消えていくのかもしれない。でも露地はお店をするような場所じゃない。先斗町の露地のように、商業の場の露地ならいいけれど。
露地はいわば私道であり、庭である。住人でないものがそこを通る時は、スイマセンお邪魔しますと、ちょっと遠慮して通る場所。誰も彼もが地図片手におしゃべりしながら歩く場所じゃない。おしゃべりしていいのは露地のお地蔵さんを守る住人たちだけだ。しかし世の中は、露地も観光のスポットあつかいで、困ったものである。

昔からある露地のお好み屋さんとかを見つけるとうれしくなるけれど、新しいお店はねぇ、やっぱりダメだ。
というわけで、御所の近くの露地にちょっとおいしそうなお蕎麦屋さんを見つけたのだが、まだ行ってない。お蕎麦もお酒もおいしそうな蕎麦屋なんだけど、なんだかなぁ。
「露地の住人みんながこの露地の活性化を応援しています!ステッカー」でも露地の入り口に貼ってあれば、こんなお店も入りやすいんだけど。



溶け出した アスファルト濡らし 雨走る  


日光写真に焼き付けた 露地の夏  (鯛風)



2016年5月9日月曜日

変わらぬおつきあい


 また、この季節がやって来た。広告ではないけれど、毎年おなじみのおつきあい、人と人との出会いこそ、愉しい。冬のカニは、またあのメンバーと味わいたい。春が近づいたらあの人に会いに行こう。夏の京都ではあのグループの呑み会が待っている。秋のゴルフはいつもの仲間たちと。変わる季節の美しさも味わいも、自然の風や光のきらめきも、そこに変わらぬ人たちの顔があるからこそうれしい。

そういうおつきあいの一つ、月ヶ瀬の「筍」掘りに行ってきた。知人のI氏の山荘の竹藪で面白いように獲れるのだ。ついでに「ふき」もいただいてくる。今年は別に「蕨」もいっぱい獲ることができた。「筍」は大きいけれど、掘りたてだからとても柔らかい。

このイベントの最大のお楽しみは奥様の手になるお料理をいただくこと。山荘周辺の「タラの芽」「よもぎ」「蕨」「うど」「こごみ」などなどの天ぷらやおひたしサラダが食卓に並ぶ。さらに今年は庭で豪快に焼いた「焼き筍」、さらにメインは「鹿肉のクリームシチュー」。いやぁ、ありがたい。残念なのはクルマの運転があるため、ノンアルコール・ビールになることだけだ。


ネがしつこい性格なのか、みんな寂しがり屋なのか、長く続くイベントが多い。もう20年続いてるなぁ、そうかもう30年になるか。そんな集まりばかりだ。最近は40数年前の学生時代の仲間たちとのゴルフも頻繁だ。でもこれではだめなんだろうな。この集まりは去年から始まった。そんな新しい「おなじみ」を増やしていく努力もしてみよう。



むせるよな 春の記憶も 風となり


春はまた 苦みもうまし 青い空  (鯛風)




2016年4月18日月曜日

春が20km/日でやってきた



お花見でにぎやかだった賀茂川もすこし落ち着いてきたようです。下の写真は1週間ほど前のものですが、桜とともに青い柳もきれいです。それにしても賀茂川は、自転車がよく似合う。もちろんランニングの人たちも多くいますが、自転車の人たちは通勤や通学、子どもたちのお迎えと必要にかられている人たちが多い。自動車の通らない川べりは安全。自転車の練習をする小さな子たちも見かけます。


昔、自転車の広告で「春が20km/日でやってくる」というのを制作しました。これは桜前線の北上スピードがほぼ20km/日。自転車で20km圏内のいろんな春を探しに行こうというメッセージでした。
今も桜前線は20km/日で北上中。京都や東京はほぼ同じ開花時期でしたが、400キロも北の地域はあと14日ほどで桜満開でしょうか。
ちょっと昔、広告制作がはなやかなりし頃は、広告賞の季節になるとこうした面白い数字を探していました。ボクが活用したのは「理科年表」で、ホントお世話になりました。


賀茂川も桂川も川べりを自転車で走るのは楽しいです。水が流れる勾配だから、サイクリング道路の勾配も緩やか。らくちんです。それでも調子に乗ってどんどん下がると、帰りは上りばかりで大変ですが。



ギアをあげ 賀茂川を北へ 風光る




2016年3月31日木曜日

花に嵐を



嵯峨野の周辺に住んでいていいのは、散歩コースに恵まれていることですか。おのずと5つくらいのコースに固まってしまうのですが。畑や田んぼもたくさんあります。風致地区として景観を守るために、開発されず、地道も多く残っています。さすが昔のように、馬糞が落ちていたりということはありませんが、整理された田舎の風情ではあります。風景画を描くような趣味でも持ちあわせていればいいのですが、これはもうすこし老人になってからにしておきます。

今、春が一気に来ています。もくれんの花はすでにはらはらと落ち、所々に土筆の顔も見られます。あと一週間もすれば桜は満開。田んぼには蓮華やたんぽぽが咲きほこることでしょう。 近くの農家の軒先では朝堀の竹の子を売っていて、小さな竹の子が4つほど入ったザルが千円也。とても柔らかい、やさしい味でした。

なんて、穏やかな春。こんなことではいけない。もっと刺激的な、記憶に焼け付くような熱い時間を過ごせればいいのですが、ラジカルな春はなかなかやって来ません。日々の環境を変えていく勇気を。バカを楽しむ、行動力を。「花に嵐を」。大きく育ってきた絹さやに水をやっている場合じゃないぞ、と思う今日この頃ではあります。



花の道  犬につられて あくびする




2016年2月29日月曜日

おかしな2月ももう終わり


この2月はおかしな天気が続いた。4月下旬並みの暑い日の二日後には、日本海方面では雪が降るという。そしてまた、暖かくなり、寒くなり。ベランダのプランターで芽を伸ばしている絹さやも、大きくなっていいのかまだ早いのか、迷いながらヒゲのような蔓を伸ばしている。桜の花の蕾も芽をだしたばかりのもの、ちょっとふくらみのあるもの、バラバラだ。

でも2月の暖かい日に散歩するのは悪くない。散歩道の空気は暖かくても、山の雑木林や畑の土にはまだ冬の冷気が漂っていて、風景がひきしまって見える。下を見ながら歩けば、硬い土に閉じこめられたさまざまな草たちが、春に向かってエネルギーを充電している様にも見える。もうすぐ春が、一気に咲く。

スキーをしていた頃は2月は楽しみ多い月だったが、この10年ほどは、とじこもり月間。寒い中をうろうろしたくないのだ。あんなに友達と連れだって行ってた「かに+温泉一泊旅行」もすっかりご無沙汰。これでは、いかん。来年の2月からは、ちょっと新たなイベントなど考えてみよう。

ところで今、外を見てみたら雪が降っている。ちょっと積もりかけている。一昨日は北野さんの梅を見に行くほど暖かかったのに。ほんとに今年の2月はおかしな天気が続く。






春握る コブシきらきら 旅の空



2016年2月18日木曜日

おじいちゃんにも、セックスを


仕事はヒマヒマなのに、プライベートが忙しい。ああ忙しい。そんな時に、「荒地の恋」にはまってしまった。ねじめ正一原作のドラマをWOWOWで見たのがきっかけだ。
「荒地(あれち)」とは、戦後すぐに同人誌として発行された詩誌で、その中心的な人たちは「荒地派」と呼ばれていたらしい。なにせ現代詩などとんと興味がなかったものだから「荒地」のことなど知らなかった。

ドラマは仮名なのでわからなかったが、原作を読んでみると、晩年CMに引っ張りだこだった田村隆一や加島祥造など知った名前の人たちが登場。その人たちが50・60歳。ピンクレディが活躍していた頃の話だ。それも檀一雄の「火宅の人」のようにけっこうどろどろの話じゃないか。
晩年、斬新な表現で話題の宝島社の広告に登場した田村隆一。彼はこの年に亡くなってしまった。

主人公の北村太郎の役を演じている、豊川悦司がやたらいい。とくべつ好きな俳優でもないけど、この前見た映画「娚の一生」でも「今度は愛妻家」もすごくいい。お相手は田村隆一の奥さん役の鈴木京香。これまたぴったりのキャスティング。田村隆一役の松重豊も存在感があった。加島祥造役は、なんと頭脳警察のパンタだ。あまり喋らず、老衰で死んでいく。
2年ほど前に横浜のKさんに散歩に連れてってもらった根岸の競馬場のタワーが毎回、墓標のようなイメージで映し出されるのも効いている。ドラマを見てすぐに原作を買いに行った。こんなことは、ほとんどない。文庫は平積みされていて、またびっくりだ。

原作を読んでさらに発見したのは、登場する詩人の多くが早川書房のミステリーを翻訳していたこと。詩人はお金にならないから翻訳で稼ぐらしいが、荒地派の中心人物の義理のお兄さんが早川書房の創業者とかで、田村隆一などは一時勤めてもいたらしい。ハヤカワミステリーのあれもこれも、この人たちが訳していたのか。
※WOWOWの予告編の動画を貼付けていたがいつの間にか削除されていた


筆にじむ 忸怩たる夜 春遠し


長き夜 手探りでみた 蕗の薹     鯛風



2016年1月10日日曜日

あけまして、あたたかい春


今年のお正月ですは、暖かいですね。昨年の元旦の京都はドカ雪でしたが、今年は16℃になった日も。沖縄では25℃の真夏日になった日もあったとか。2月はじめも暖冬予報。なにか「おかしい」という感じです。日本海では海水が温かく、ブリも海苔も獲れないらしい。暖かいのはありがたいのですが、「異変」は困ります。

北の国の方では暖冬で頭の中がヒートアップしたのか、いきなり水爆実験のニュースが飛び込んできました。サウジアラビアとイランの国交断絶のニュースといい、一気にきな臭い一年の幕開けです。みんなボケてきたのか、家の中ではハイビスカスも咲いています。

ところであまりに暖かいので、どこかにクルマで行ってランチをと思い、比叡平の方に行きました。「Osanpo Cafe」というカフェがある本に紹介されていたからです。カメラマンのスタジオもかねたようなカフェでした。今年の「お気楽さんぽ」はここからはじめようと思い、写真も撮ってきました。
ピリッとしない気分のままスタートしたお気楽なブログですが、今年も一年、よろしくおつきあいくださいませ。




雪恋し 16℃の 注連の内 


初ごよみ はや初夏日 初笑い  鯛風