登場するボンドは30代のできる青年。イアン・フレミングのボンド・デビュー!と、同じくらいの年齢か。なにしろ初めて読んだのはもう50年以上前の時代。その間に映画もいろいろあったし、30代のボンドをイメージするのはちょっとつらかった。Mはもちろん、マニーペニーも年輩に設定されている。原作もこうだったかな。ショーン・コネリーの渋いボンドイメージが強すぎて、イメージがこんがらがる。
活躍するロケーションは世界を股にかけていい感じ。ボンドガールもいろいろ登場(ガールではないが)。でも数が多くて散漫な印象。ビックリするような秘密兵器が出てこないのはいい。Phoneを使ったヒミツのアプリが大活躍。この辺は「24」のジャック・バウワーの持っているiPhoneと変わらない。
うれしいのはボンドカーに、スバルのWRX(STI)が登場してきた。ボンドもお気に入りのようだ。いままでのボンドカートとは格が違うが。
なんとなく地味だが、お話しはよくできている。映画になってもいいシーンがいろいろ用意されている。物語は気持ち、ちょっと長いかな!ところでボクは現役の、ダニエル・クレイグが気に入っている。ショーン・コネリー以外ならこの人がいい。冷酷そうな所もいい。あまり、ニヤリとはしないけれど。
この『白紙委任状』では、ボンドの両親が二重スパイだったのではないかという話が伏線で進行する。もしかしたら、この小説が映画化されたら、『インディ・ジョーンズ』のようにお父さん役でショーン・コネリーが登場するかもしれない。
見よ彼方 陰謀渦巻く 秋の海
稲妻の 闇の奥から ニャオと鳴く