だからといって、呑みつぶれたりは出来ません。無作法な酒を飲んではいけない、という凛とした空気がカウンターを清々しく流れているからです。横を見ると、カウンターの皆さん背筋がピンとしているのです。
ちょっと前から、この店にいくとラフロイグなどアイラ島のスコッチを飲んでいます。
最近誰かのブログでラフロイグのコーク割りが流行っているという情報を仕入れました。そんなアホな、とは思ったのですが、「だまされたと思って飲んでごらん。コークの味が、ラフロイグのヨードのような香りをさらに引き立てるのだよワトソン君」。と、いうのです。こんなことオーダーできるのは、あの店だけだなと思い、出かけました。
まずは、ラフロイグのソーダ割りでウォームアップ。そして二杯目、マスターに「えェ~」といわれながら(目はすでに、何すんねんと、いってました)お願いしました。「おいしいらしいで、独特の味が際立って」と勧めたら、シェークしたスプーンで一口飲んで、これはないワという顔してました。
確かにこれはないワ。普通にソーダで割ってる方が、はるかにおいしい。ブログの噂はあてにならない。宿題をやり終えた気分で三杯目はボウモアのソーダ割りに。そして四杯目は… と、夜は更けていったのでした。