ドン(ドナルド)・シーゲル監督の、「刑事マディガン」にはぶっ飛びました。とてもリアルな刑事モノ映画でした。深作の「仁義なき戦い」がでてくる、もっとずっと前の映画です。リチャード・ウィドマーク主演、1968年日本公開となってます。ジョン・ウェインの刑事モノとはフタ味ほど違う、スターに頼らないリアルな刑事モノでした。西部劇の匂いはするのだけれど。「ひたすら走る」汗臭い映画です。好評だったらしくTVシリーズになったようです。その後この監督は、1968年に、クリント・イーストウッド主演の「マンハッタン無宿」を撮ります。カウボーイハットの刑事がニューヨークにやって来る刑事モノです。そう、あのNHKの「警部マックロード」は、この映画のパクリです。
そして、この二つの映画の流れが合流するところに「ダーティハリー」が生まれたのでした。走って走って走りまくるのは刑事マディガンのDNAが。ハンバーガーを食べながらマグナムをぶっ放すのは、マンハッタン無宿のDNAのなせる技。ドン・シーゲルに、男臭いハードボイルドなB級映画を撮らしたら、職人的なうまさを発揮するのでした。
後で見た映画に「殺人者たち」という快作もあります。ヘミングウェイ原作ですが、内容はだいぶアレンジしてます。主演はリー・マービン、痺れます。レーガン大統領も悪役でご出演です。この監督のDNAはその後しっかりと、サム・ペキンパーとクリント・イーストウッドに受け継がれていったのです。
映画の料金も高くなって、こうしたシンプルな映画では満足出来なくなってきた観客たち。お金をかけたC級映画は多いのだけれど、見ごたえのあるB級映画が激減しています。映画2本立てというシステムは、結構いい監督や脚本家を育てていたのでしょうね。あとはもうテレビ局がつくる映画に頼るしか、こうしたB級映画は見られないのでしょうか。
※始めの写真はダーティハリー第4弾のパンフ表紙。クリント・イーストウッドの監督作です。
2009年7月5日日曜日
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いつもながら ドキドキさせる語り口、今もレンタルビデオ屋さんに。 困るのは レンタルされてないこと。どーしたもんじゃ?
返信削除そうですねえ。あまりにも古すぎて、TUTAYAなどにはおいてないでしょうね。昔はTVでも古い映画を放送してましたが、最近は番組の再放送が多いですし。これからは、レンタル屋さんにある映画を書いていきます。
返信削除映画というもんはそもそもEntertainmentありきであり、同時に映像を見せる道具でもあるので絵が奇麗であること。最近この2条件を具備している映画が皆無であるのは大変悲しい。John Ford, John Stargess, Howard Hawksなどのように、単純なストーリ(しかし映画の中に挿入されているTopicsがなんとおしゃれであることか!)そして味のあるカメラワークで他の足ませてくれる監督がいない。刑事マディガンはまさにこの種に属する映画であります。O'Sam
返信削除O'sam さんへ。映像がキレイという点では最近見た「点の器 剱岳」をおすすめします。木村大作さんのようなカメラマン監督ならではの映像美と迫力に満ちた映画です。映像が、DVD で見るのはもったいないほどに、エンターテイメントしています。邦画ですが。
返信削除スミマセン 上の「点の器」は「点の記」のマチガイです。
返信削除そうか?
返信削除借りて見てみます。
ありがとう。
O'Samさんへ。まだ封切り中でDVD出てません。映画館へ行ってください。
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