
パリに始まった学生たちの闘争は、アメリカにそして日本に飛び火してきていた。日大闘争も、東大闘争も、そして私たちの大学の闘争もそれぞれが抱えていた問題は違ったけれど、パワーが連携して時代を熱くしていった。
そうした、日本の大学闘争の後半、熱い余韻がまだ残っている頃。そして凄惨な連合赤軍事件とかが起こる前、この映画は登場した。激しい東大闘争の映像を見たあとでは「すこし甘い味付け」の映画かもしれなかった。でもこうした運動スタイルが、アメリカの学生のスタイルなのだろう。
住民を巻き込んで、「大学の街の問題」になっていくことにも感心した。
そして、こうした問題にあまり深く関わらない「私たち的」には、それなりに共感できた映画だった。
良かったのは、ストーリーでも、映像でもなく、音楽だった。クロスビー・スティルシュ・ナッシュ&ヤングのアルバム「デ・ジャブ」や、ジョン・レノンまで、ずっといい音楽が全編に流れていた。音楽でメッセージしていた。いわば映画が、音楽のプロモーションビデオのような感覚で、その感覚が新しかったのだろう。
垢抜けない女学生闘士、キム・ダービーもよかった。しかしアメリカは暴力的な国だ。市民にたいしても、すぐ州兵を呼びよる。